小さい時、私はピアノを習っていた。
好きだったというよりは、母が習わせたかったから
いつの間にかやっていたという感じだった。
私は絵を描く方が好きだったが、
ピアノもそれなりに楽しんでやった。
発表会。左から3番目。
しかし小学校にあがってヤンチャになってくると、
学校帰りにいくピアノ教室というのが疲れるようになってくる。
私より前の子が弾いているのを聞きながらよく寝ていた。
そしてある日ついに、自分が弾いている時に寝てしまい
先生に「ピアノ辞めた方がいいんじゃない?」と
早くも才能を否定され、私もその否定を否定しなかったので、
以来ピアノはやらなくなってしまった。
そんなトラウマを抱えつつ
その後自分がひどい音痴という事も発覚、
音楽がニガテになった。
だからなのか音楽の授業で覚えているのは
なぜかテンションのあがる「魔王」と、
教室に飾られていたアノ音楽家たちの肖像画くらいだ。
テンションあがる「魔王」
そして
肖像画といえば
・ベートーベン(以下、ベン)
・モーツァルト(以下、モッツン)
・バッハ(以下、バッハ)
だろう。
この3人は、日本人ならみんな授業で習っているし、
記憶に刷り込まれているのではないか?
音楽嫌いな私でさえ浮かぶこの3人。
よし、曲こそ弾けないが、似顔絵を描いてみよう!!
↓
怒っているイメージのベン。
若くてイケメンなイメージのモッツン。
奇天烈ヘアーのおっさんイメージなバッハ。
・・おかしいな・・こんなんじゃない!
頭の中に浮かんでいる肖像画とは大分ちがう。
描こうとすると案外上手に描けないんだな。
音楽の才能どころか絵もイマイチらしいので
他の皆にも描いてもらうことにした。
●同僚その1(男性)によるアノ3人
手描きよりもPCソフトで描く方が得意という彼。
今日はCtrl+Zはきかないぜ!
↓
左からベン、モッツン、バッハ。
ベンともっつんが似ている。
マンガに出てきたらドッチがドッチだっけ?と悩むんだよなーこういうの。
バッハは いい脇役ぽい。
●同僚その2(女性)によるアノ3人
「だーかーら絵描くのニガテなんだって!」と言いながらも
描いてくれたのは・・・
↓
それぞれ強烈な個性を放つ3人組。
モッツンの口がアナゴさんぽいのは、
「横向きにしようと思ったらこうなった」とのこと。
この後、この3人が合コンで来たらどうする?
という話で10分ほど盛り上がりました。
同僚はベン、私はバッハと絡みます。
さあ、あなたはどのタイプ?
●親戚の子(9歳)によるベン
小学校3年生の親戚の子に会ったついでに描いてもらう。
「まだ習ってないけどオレ頑張って描くよ」
目と鼻と口があるところがソックリだね!と言ったら
喜んでました。
髪がクリンとしているのは、小学生も知っているんだな。
・・・・・
さて、いくつかの個性ある絵を描いてもらって
次に頭に浮かんだのが
「外国人もアノ3人のことを習って知っているのか?」
ということ。
日本人は作曲家といったら
やたらとアノ3人をフォーカスして教えられているけれども
もしかしたら外国では大した事が無いかもしれない。
ついでに検証してみましょう。
東京の外国人向け観光スポットであり、割と近所の
『浅草』へGO!
・・・と、張り切って行ったはいいものの、
いきなり他人に、しかも外国人に話しかける勇気がわかず。
勢いをつけるためにもまずは近くに座っていた日本人カップルに
声をかけてみた。
●座って休んでいるカップル
私「スミマセン・・・」
女性「ン?ホニャララムニッカ?」
あ・・・韓国人だ。
私は昔、韓国語を勉強していた事があるので、
韓国語かどうかの判別はできるのだ!
私「あー、ハングクサラミエヨ?(韓国人ですか)」
と一応確認してみると、
女性の方から「ええ。日本語喋れますか?」
と聞き返された。
私「あ、はい!」
彼女は日本で働いているそうで、日本語がペラペラ。
意図説明をして、アノ3人のうち誰でも良いから描いてくださいとお願いしてみると、
笑顔で快く描いてくれた。
描けました~!
↓
なかなか雰囲気は出ている。
金城武風ベンと子供時代のモッツンといった感じか。
バッハは描いてくれなかったけど、
韓国でも授業でアノ3人を習うという情報はGET!
カムサハムニダ~!
勢いに乗って、次トライ!(でも日本人狙いで)
● 若いアツアツカップル
私「こんにちは~」
彼女「はい?」
さっそく事情説明を開始するが、カップルはちょっとハテナ?顔だった。
もしかしてと思い、「ハングクサラミエヨ?(韓国人ですか)」
とまた聞いてみると、
彼女「そうです」とのこと。
かつて覚えた韓国語を使うときが来たか!と
思ったが、ゆっくりと日本語で説明したら彼女が理解してくれて、
快く描いてくれた。
↓
描けました~
(彼氏の方が手に持っているものは
描いてくれたお礼にあげた人形焼)
↓
きゃわいい王子風モッツン。
コマウォヨ~!
・・・・
順調だ。
怖がって日本人に声をかけようとしていたのに
今のところ、はからずも当初の目的通り外国人に
絵を描いてもらえているぞ。
この勢いに乗って、外国人にジャンジャン声をかけよう!
とその前に、景気づけに一杯ね。
●イタリア人のカップル
浅草寺の周りをゆっくりと見て堪能している、
外国人カップルがいるのを発見。
時間があるのだろうと目をつけ、思い切って声をかけた。
2人はイタリアからの観光客で、
こちらも笑顔で描いてくれた。
男性の方は
いきなり話しかけてきた日本人が珍しいのか
汗だくになりながら喋る私の姿をアップでビデオにうつしていた。
ユーチューブとかで出回っていない事を願う。
描けました~!
↓
↓
ハンガーごと服を着ちゃったみたいになってるモッツン。
↓
よく見ると面白い顔してる
ピアノもあるし、流石イタリア人のセンスは高いなと思った。
グラッツィエ~!
●4連続でノーセンキュー
次に声をかけたメキシコ系男性トリオ、
その次の南国系女性コンビには「NO THANK YOU」と
アッサリお断りされた。
そんなに嫌そうにしなくたっていいじゃないか・・!
ここはいっちょ江戸っ子の粋なおっちゃんに描いてもらおうと、
暇そうにタダ座っている地元ぽいおっちゃんに声をかけたが
「暇じゃねえよ」と断られる。
その後のおっちゃんにも断られ、4連敗。
もう何だか声をかける気力がなくなってきて、
気がつくとまた飲み屋街に足が向いていた。
フラフラと飲みどころをさがしていると、
外に出された席で飲んでいる外国人カップルを発見!
●日本好きなドイツ人カップル
隣に座って描いてくれそうかどうか見極めつつ、
今日の総括「他人に声かけるのってドッキドキだね」話をしていると
隣の外国人カップルの女性の方が手洗いに席を立った。
一人になり、手持ちぶさたそうにしている男性の方に思い切って
声をかけてみる。
情けないほど拙い英語で話しかけると、
その男性も実は日本語ペラペラだった。
「有名な3人の作曲家の絵を外国人に描いてもらって集めてます」と
事情を説明すると、
「僕は絵がすごく下手なので、彼女に描いてもらうように言ってみますよ」と
お手洗いから帰ってきた彼女に通訳してくれた。
「変わった日本人よね」「理解できないね」
どんな会話がなされているのか1ミリも分からない。
しかし
彼女は困り顔になりつつも、笑顔で描き始めてくれた。
描いてもらっている間に、ドイツ式で乾杯!
私のことを「同じ位の年齢に見える」と言ってくれたが
聞くと彼らは23、4歳だった。
大はずれ~!
キミらが小1の時、私は小6だよ・・・!
異文化交流は楽しくて
彼らが飲みたがった熱燗やら、
私の友人が隠し持っていた電気ブランのボトルも空け、みんなで気分は上々、
連絡先も交換した。
実は飲みすぎてしまい、
その後の記憶がところどころ無いのだが
ただ、マークス(男性の方)が言った
『僕は悟りを開きたい』の一言は覚えている。
私も悟りを開きたいよ本気で。
頑張ろうねマークス!
そんなこんなで、皆で盛り上がっている間に彼女が
描いてくれた絵はこれだ!
↓
誰?
ビール持ってるけど、誰?
そばかすや胸の谷間など、けっこう細かい。
マークスは彼女に何と通訳してくれたのだろうか。
・・
きっと、アノ3人よりも有名なドイツの作曲家に違いないよね!
ダンケシェーン!
レポおしまい。
<まとめ>
声をかけた全ての人が、
やはりアノ3人を知っていた。(そりゃそうだ。
アノ3人は万国共通で有名人なのだ。
外国人と喋るネタに困ったら、
「モッツン知ってるー?」と話しかけてみると良い。
さて、今回の浅草レポで気づいた点は以下の通り。
・他人に声をかける場合、カップルだと相手にしてくれる。
・カップルの中でも、絵を描くのはいつも女性である。
・アノ3人の中ではモーツァルトが割と人気。
・ドイツにはもっと有名な作曲家がいる。
<ちなみに>
アノ3人はこんな顔ですよ
「僕らあんまり合コンてしません」
<おまけ>
最後のドイツ人カップルが書いてくれたもの
「一石二鳥」・・・マークスが好きな日本語。
「真水無香」・・・彼女が好きな中国語。
(隣の猫は意味を教えてくれるために描いてくれたもの。
要はシンプルイズベストという意味。)
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