夢のスシ食いねえ

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今回のブログテーマは「ささやかな夢を叶える」。
身近にある小さい夢はろくなものが浮かばなかったので
「小さかった頃の夢」を叶えることにしました。
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小さい頃なりたいと思った事があるのは確か
正義の味方、ピアニスト、サッカー選手、探偵、何かの発明家、宇宙飛行士、画家・・。

子供というのは安易に夢が変わるものだ。
上に並べたのは当時のマイブームによって浮かんだ、
いかにも子供らしい夢だ。


そういえば・・
小学校の時の文集かどこかで自分の夢を書く欄があったのを思い出し、
引っ張り出してみることにした。

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↑小学校時代の卒業アルバム


あったあった。
「6の1 将来のゆめ」

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↑任天堂の社長とバンダイの社長に比べて控えめな「小さな会社の社長」と
書いた小原君。いま一番夢に近いとこにいるとみた。


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↑UFOらしきものに乗った皆の夢で一番多いのは「サラリーマン」。
あ、バンダイの社員がいた。



そしてこの時、私が描いた将来の夢は・・

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↑看護婦でも医者でもなく、すし屋。



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↑他の寄せ書きページでは「大金持ちになっていくらをいっぱい食うぞ!」と誓言。(真ん中)


・・とまあ小学6年生当時
私はお寿司、特にイクラが大好物で
いつかお寿司屋さんで働いて、客に握るついでに自分も
お寿司をつまみ食いするという夢を抱いていたということを思い出した。


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↑寿司くいねえの歌が好きだった小6時代


しかしそんな理由でお寿司屋さんになれる訳もなく
この夢はすぐに断念。

この時代より長き18年の時を経て
神経が図太くなった現在の私は、ふと思いました。

「本物の寿司職人になれなくても、
寿司を握ってたらふくイクラ食べるくらいの夢はイケるんじゃない?」

そう思い立ち、
近所の商店街にあるお寿司屋さんに行き、ダメ元で頼んでみた。

「あの・・・いきなり変なお願いで恐縮ですが、
小さかった頃の夢を叶えさせてください」と。
すると鉢巻姿の大将は笑顔であっさり
「いいよ。夢、叶えなよ」との声。


さすが下町!粋だね太っ腹だね!
さあ、これでいっときでもなりたいと思っていた夢が叶う!
しかもこんなにあっさりと。


そうして日を改め
9月22日、お店の準備時間である3時から4時の間の1時間だけ
寿司を握らせてもらうことに決定!!




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↑当日。葛飾区四ツ木1丁目にある「笹舟」。
美味しくてリーズナブル、人気のお寿司屋さん。奥にはカウンターあり。


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↑勝手に大将と呼ばせていただいた伊坂さんに握り方を教わります!

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↑カウンターの向こう側で緊張

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↑さっそく大将に手の洗い方からシャリの握り方を学ぶ


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↑いざ、握ります!「らっしゃいお客さん、何にしやしょ?」


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↑わざわざ来てもらったお客さん。『サラリーマン』が夢だった長谷川君と奥さん。


客「じゃあネギトロ」
私「(大将に向かいながら)へいネギトロね!」
大将「いきなり軍艦ね!じゃあシャリ持って・・」


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↑指の第二関節あたりにノリ乗せてシャリ乗せて、こう握って・・と丁寧にレクチャーしていただく。


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↑「あれ?」早速の違和感を感じはじめる。手にやたらと米がくっつくんですけど・・


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↑何はともあれ一丁あがり!「片方はオマケでネギトロたくさん乗せといたよ!」

この時大将に、皿を出す時は人差し指をスッと伸ばすとカッコいいと教わる。



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↑続けてサーモンとマグロの注文。

<握り方概要>
シャリを左手に持ち右手にネタ。
ワサビを人差し指でさっととりネタにつけ、その上にシャリ乗せて親指で一押しし、横から縦からも押さえる。
次に右手の親指と人差し指の間にひっくり返してそれを左手に手のひらに乗せて上から二本指で押さえて180度回して上からまた押さえて・・と何度か工程を踏まえて握るのだ!!


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↑左が大将。右が私。           ↑私はとにかくシャリが手にひっつく。


私「大将~!シャリが手について握りにくいです!」
大将「最初はそうなんだよな。米が手につかないようになるまでも時間かかるんだ。しかも男女で体温の差もあるし、スピードや水のつけ具合も関係するんだ」


時間のない私には仕方ない。このまま握るしかない。
(時折水に濡らしたり清潔なフキンで手を拭い米を落とすのだが
それでもついてしまうのだ。)


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↑人差し指を伸ばし「へいお待ち!」     ↑よく見ると軍艦のノリに米粒だらけ


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↑寄せ書きに「200才まで生きてやるぞ~!!」と宣誓していた長谷川君と奥さん。



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↑さっきとはちょっと握り方が違うと、教わりながらのタマゴ。まあまあ?



さてこの辺りから大将も仕込みで忙しくなってきました。
一通りの握り方は教わったし、一気に握りまっせー!


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↑はいエンガワね~!            ↑なんかガタガタ


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↑はい甘エビね~!(今回一番見た目悪い) ↑ニギニギ、ペタペタ(米がひっつく)


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↑はいマグロ~!             ↑ニギニギ、ニチャニチャ



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↑はいアナゴ~!(タレ忘れてる)      ↑はいイクラ~!


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↑あなたはこんな手の寿司職人を見たことがあるか?   ↑はいホタテ~!
いたらそいつはド素人です。




客たち「なんか、シャリが一回り小さく出てくるんだけど・・」




5分の1くらいは手にひっついているんでね。すいやせん!

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↑クレームが来たのでいったん手を完全に洗いに行って握ってみると・・初めて綺麗な手で出せた!


こうして私が寿司職人気分でノロノロネチャネチャやってる間
大将は何をしていたかというと、

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↑私の手元を見守りつつ・・       ↑早めに買いに来たお客の注文を受けたり


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↑シャリを準備したり            ↑魚をさばいたり


手際よく準備をしていました。
こりゃ忙しそうだ・・・
タイムリミットも近づいてきたし、
そろそろもう一つの夢にとりかかるかな!

そう、「イクラをたらふく食べる」夢に。


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↑早いのではなく、ブレているだけ     ↑大将が見てない隙にイクラたっぷり乗せる



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↑でーきた~!               ↑手シャリ最高潮



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↑ウフフ              ↑エヘヘ


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↑オホホ              ↑ウン


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↑夢が叶った幸せと、大好きなイクラ軍艦勢の総攻撃で嬉しさと満腹感と
若干のクドさを噛み締めている顔。





<まとめ>
自分で握った寿司を食べれて幸せでした。美味しかった。
意外だったのは手にひっつく米粒に苦戦したこと。
できれば包丁でネタをさばく事にも挑戦したかったがそんな時間は無かった。


今回、最初は夢を叶えようという企画だったけど正確に言うとそうじゃない。
下積みを飛ばし、仕込みを飛ばし、
実はシャリも形を作るまでは大将がやってくれていた環境で、
手には米粒だらけの素人がノロノロとプロの隣で握らせてもらえた。

これは夢を叶えたんじゃなくて「夢を叶えさせていただいた」ということだ。

そんな我儘な依頼を快く受けてくださった
大将にただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
(しかも相当安く食べさせていただいた)


今までは持ち帰りだけだったけど、
「お客の顔が見れなくて寂しい」という大将と
今度はカウンターで話しながら食べるようにしよう。


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↑大将の握ってくれたイカと甘エビ


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↑自分で握った中で(見た目的に)一番の出来だったアジ


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↑君も夢、叶えようぜ!(皿の出し方の決めポーズ)






<おまけ>
本日のお客さんたちの感想

ーーー長谷川夫妻
「プロのは寿司がしっかりと立つし、醤油をつけるのに寿司を倒しても
ネタが剥がれない。一番違ったのは(手早いので)ネタの温度が違った事。
ご馳走様でした。またおごってください。」

ーーー写真を撮ってくれた友人(女性)
「大将が好みだった。
出だしのネギトロのネギトロ部分が量多くて、地味に喉詰まった。
味は、お腹かなり空いてたのもあったけど美味しかった。
でも一つ一つのインターバルが長くて、思った以上にお腹いっぱいになった。」


勉強になりましたっ!




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↑ヘイらっしゃい!お客さん、今日は何にする?



(写真を見返すとどれも気持ち悪いくらい自分が満面の笑みだったので
ビックリだ。もしかしたら小6の時の私が憑依していたかもしれない。)




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コメント(8)

ほんとうにすごい笑顔で、いいですね。
その笑顔で日々がんばってください。

マグロあぶりでお願いします。

DPZから。
超ニコニコがいいとおもいました。

>gokiさん

DPZからへいらっしゃい!

自分もこんなに笑顔だったなんて思ってませんでした。
もっと真剣かなと・・
普段こんな顔してるんだなあと新しい発見でもあります。

ありがとうございます!
高校の時に初めてのアルバイトで接客練習した時
店長に「ニヤニヤすんな」と言われましたが
こんなに褒められる笑顔ができる子になりました。日々頑張ります

>yoshicoさん

へいマグロあぶり一丁入りました~!(大将に向かって)

DPZから来ました。
夢、叶ってよかったですね!^^
とても楽しそうで読んでいて気持ちがほっこりしました。

>ぽんでらいおんさん
わ~DPZからようこそ!
ありがとうございます!
文章で人を楽しませるのはこれまた夢なので
それも叶ったかな~^0^

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東京葛飾生まれ。 江戸っ子ぽいとよく言われますが、新潟と茨城のハーフです。 ツイッターアカウントpekorinnote

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